FORTNITE

メタバースのフォートナイトをビジネス活用できる?参入企業や事例も解説

仮想現実を指す、メタバース。近年では単なるゲームに留まらず、ビジネスチャンスとして注目されています。実際に、メタバースゲームであるフォートナイト()にはさまざまな企業が参入し、ビジネスの可能性を見出していると言えるでしょう。

大手企業はメタバースをどのようにビジネスとして利用しているのでしょうか。この記事では、メタバースゲームのフォートナイトをビジネスに活用している企業や、導入事例を紹介します。

メタバースがビジネスとして注目されている理由

メタバースがビジネスシーンで注目を集める理由を2つの観点から解説します。

市場規模が大きい

メタバースはもともと、ゲーム業界を中心に始まりました。しかし、インターネットやスマートフォンの普及にともない、オンラインコミュニケーションやエンターテインメント、教育、ビジネスなどさまざまな分野に応用されています。

Statista社が発表したメタバースの市場規模統計によると、2021年の約4兆3,000億円から、2030年には78兆9,000億円まで18倍以上に拡大する*と予想されています。飛躍的な成長が期待されることから多くの企業がメタバースへ参入し、Facebook社が社名をMetaに改名したことも話題となりました。

また、メタバースゲームのフォートナイトは2021年に3億5,000万人のユーザーを獲得していましたが、2023年には5億人のユーザーに加え、7000万人の月間アクティブユーザーがいることを発表しています。

*参考:statista

NFTと親和性が高い

NFTとは「非代替性トークン」のことで、代替不可能な画像・動画・音楽といったデータを指す言葉です。複製ができないため、唯一無二のファイルとして希少性が生まれ、高い価値が付けられる場合もあります。

メタバースでは、アートや土地、アバターの衣類などがNFTとして売買され、「実態」はなくとも現実世界と同じような感覚で取引されています。過去には、人気ブランドが作成したファッションアイテムに100万以上の値段が付いた事例もありました。

フォートナイトでもアバターが身につけるアイテムが販売されるなど、メタバースとNFTは親和性が高く、新しいビジネスチャンスの場として注目されています。

メタバースをビジネスで活用するメリット・デメリット

メタバースをビジネスとして活用する際のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。

メリット

メタバースはこれまでのコミュニケーションに大きな変化をもたらすと言っても過言ではありません。これまで物理的に顔を合わせる必要があったコミュニケーションが場所を問わずに行えるようになるのはもちろん、アバターとして仮想空間に存在することでよりリアルなコミュニケーションが実現できます。

また、メタバースは新たな販促の場として活用できるのも魅力です。バーチャル店舗で現実のアイテムを販売したり、メタバース上で楽しめるNFTを販売するのも良いでしょう。

メタバース上では時間や場所といった制約にとらわれず、イベントや説明会を開催できます。メタバースを利用することで参加者の移動コストを削減しながら、音楽イベントやアート展示会、会社説明会などに多くの人を集められるでしょう。

デメリット

メタバース市場は急速に拡大しているものの、まだ発展途上のサービスと言えます。法的整備が整っていない部分もあり、運営する企業側が規則を定め、場合によってはトラブルを対処しなくてはなりません。

また、NFT取引のために仮想通貨が用いられることで、ハッキングや詐欺被害が起こる可能性もあります。現時点ではセキュリティ面に注意が必要であり、これは今後の課題と言えるでしょう。

メタバースゲームのフォートナイトへの参入企業と導入事例

メタバースの人気ゲームであるフォートナイトへ参入した身近な企業と、導入事例を紹介します。

NIKE(ナイキ)

出典:NIKE公式サイト

NIKE社は、フォートナイトをリリースした米Epic Gamesとのコラボレーションで、フォートナイト上の仮想世界「Airphoria」を公開しました。

Airphoriaは、フォートナイトの拡張ツールであるUEFN(Unreal Editor for Fortnite)を使って制作されており、アイテムショップではAirphoriaをイメージしたアイテムを発売。新しいターゲット層へのアピールや、マーケティングの一環となりました。

SONY(ソニー)

SHIBUYA MULTIVERSE

出典:sonyesportsproject公式サイト

ソニーグループ株式会社の取り組みのひとつである「Sony Esports Project」にて、フォートナイト上の仮想空間である「SHIBUYA MULTIVERSE」が公開されました。

株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給の映画である「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」の公開に際し登場した空間で、東京・渋谷の街を描いてます。

制作にはUEFNが使われ、SHIBUYA109渋谷店を含むリアルな街並みが再現されました。今後のアップデートにより、ゲームが追加される予定です。

HONDA(ホンダ)

本田技研工業は、フォートナイト上に仮想空間の「Hondaverse」を公開しました。Hondaverseは近未来的なビルが特徴の空間で、2023年型Honda HR-Vのモデルを鑑賞できます。

ビル群をアクションゲームのように進んでいくアトラクションも用意されており、自動車業界の新時代のマーケティング例として注目を集めました。

Coca-Cola(コカ・コーラ)

Coca-Cola社はフォートナイト上で「Zero Sugar Byte(ゼロ・シュガー・バイト)」という新しいフレーバーを発表しました。Zero Sugar Byteはフォートナイトからインスピレーションを受けたフレーバーで、フォートナイトのクリエイティブチームと共同で制作されています。

フォートナイト上にはネオンをイメージしたような仮想世界が公開され、4種類のミニゲームが楽しめるとともに、新しいプロモーション形を確立しました。

まとめ

メタバース市場は急速に拡大しており、新たなビジネスの可能性を見出した多くの企業が参入しています。法的整備が追いついていないといった注意点はありますが、コミュニケーションやイベント、商品販売などさまざまな活用が可能です。

人気ゲームのフォートナイトもさまざまな企業とコラボレーションしており、フォートナイトの拡張ツールであるUEFNを使用して各企業のオリジナリティに溢れる空間を制作しています。

新たなマーケティングやプロモーションの場として、メタバースをビジネス活用してみてはいかがでしょうか。